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松橋 信平; 内田 博*; 久米 民和
Radioisotopes, 49(11), p.38 - 50, 2000/11
ポジトロン標識化合物をトレーサーとして用いた植物ポジトロンイメージング計測へのラジオルミノグラフィの応用について紹介するとともに、イメージングプレート(IP)を用いたポジトロンイメージングでの問題点、植物研究分野への応用の課題などについて解説を加えた。IPによるポジトロンイメージングの長所としては、広視野で二次元分布計測が可能、IPの数を増やせばバイオイメージングアナライザー(BAS)による読み出し必要時間に関係なく計測が可能であることなどがあるが、生きた植物試料での経時計測が困難、厚さのある試料では画像がボケてしまう、などの短所が考えられる。IP計測は、すべてのポジトロンイメージングに適しているわけではないが、試料の形状、検出する放射線の種類などの条件が整えば、植物内の放射能二次元分布を得るために有効な計測手法であり、原研で開発したポジトロンイメージング法と組み合わせることにより、その特徴を生かせることを示した。
石岡 典子; 松岡 弘充; 渡辺 智; 長 明彦; 小泉 光生; 松橋 信平; 久米 民和; 関根 俊明; 内田 博*; 辻 淳憲*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.417 - 421, 1999/00
被引用回数:27 パーセンタイル:86.12(Chemistry, Analytical)これまで原研高崎のAVFサイクロトロンを利用して生物医学分野で有用となるラジオアイソトープの製造技術の開発を行ってきた。最近では、ポジトロン放出核種の製造技術の開発と二次元ポジトロンイメージング装置の開発により、植物での生理機能を解明する実験が可能となった。われわれが現在進めている植物における物質移動の動的な計測方法とそれらの実験に必要なポジトロン放出核種の製造技術及びその標識化合物の合成研究について発表する。
石岡 典子
放射線と産業, (80), p.11 - 15, 1998/00
ポジトロンは、電子とともに消滅して511keVのエネルギーの線をほぼ反対方向に放出する。この線の両方を検出すると、2つの検出器を結ぶ直線上でポジトロンが消滅したことが分かる。そして、その近傍にポジトロンを放出した核種が存在したことが分かる。この特徴のためにC,N,F等のポジトロン放出核種は、トレーサーとして医学において盛んに利用されている。原研では、同じ原理を用いる植物用のポジトロンイメージング装置(PETIS)を開発し、植物体内におけるポジトロン放出核種の動きを二次元画面上で追跡することを可能にした。この装置を用いて植物の生理・生化学的な機能を解明するために、我々は高崎研TIARAのAVFサイクロトロンによるポジトロン放出核種の製造・標識合成技術の開発を進めている。ここでは、ポジトロン放出核種を製造するために開発した照射ターゲットシステム及び現在進めている植物実験用ポジトロン放出核種や標識化合物の製造について、その方法や特徴を分かり易く紹介する。
久米 民和
Radioisotopes, 47(3), p.283 - 284, 1998/00
ポジトロン放出核種を用いた植物研究について、原研で進めているポジトロン・イメージング計測を中心にレビューした。ポジトロン・イメージング装置は、検出面積:4850mm、画像分解能:約2mm、ほぼリアルタイムでの計測が可能である。F-水(半減期110分)を用いた実験では、障害を受けた植物での吸収・移行変化を調べ、障害の検討に有効に用いることができる可能性を示した。C(半減期20分)に関しては、CとCの発見と植物への利用の歴史を紹介するとともに、COを用いた光合成産物の根への移行について述べた。N(半減期10分)に関しては、安定同位元素Nとの特徴を比較し、Nの利用の現状を紹介した。また、大学とのプロジェクト共同研究で進めているC-メチオニンやNOを用いた研究例の紹介も含めた。
石岡 典子; 松岡 弘充; 渡辺 智; 長 明彦; 小泉 光生; 関根 俊明
Synthesis and Applications of Isotopically Labelled Compounds 1997, p.669 - 672, 1998/00
植物生理機能の解明研究に必要であるF及びN(ポジトロン放出核種)を製造するために、氷をターゲットとして用いることが可能な新しいターゲットシステムを開発した。原研高崎のAVFサイクロトロンで開発された二次元ポジトロンイメージング装置とこれらのポジトロン放出核種をトレーサーとして用いることにより、植物の物質移動を動的に計測することが可能となる。本報告書では、新しく開発した水ターゲット照射システムとそれを用いたF及びNの製造技術の開発について発表する。
甲斐 哲也
no journal, ,
中性子ラジオグラフィ技術の解説に続いて、中性子透過率のエネルギーによる変化を解析し、対象物の結晶情報を得る「ブラッグエッジイメージング」、元素情報や温度情報を測定する「共鳴吸収イメージング」、偏極中性子を使って磁場の空間分布を取得する「磁気イメージング」について説明を行う。また、J-PARCで運用を開始したパルス中性子イメージング装置「螺鈿」の概要と利用例について紹介する。